星輝く空
32
少しぎこちないながらもいつもと同じように時間は流れていった。
セイは心配そうに何度もこちらを窺いながら夕飯の準備をしていた。心配されていることはわかっていたけれども、
僕は顔を上げることもできずに俯いていた。セイが声を掛けてくれても曖昧な返事しかできなくてさらに心配をかける。
僕は、僕にはどうしたらいいのかわからない。
僕は、僕は……。
「すばる。」
顔を上げれば真剣な顔のセイと目が合う。
「そんな顔をしてどうしたの?何かあった?」
真っ直ぐな瞳は曖昧な答えでは納得しないことを物語っている。
僕は観念するしかなかった。
でも、どこまで話していいのかがわからない。
根本的な問題として僕が人間と違うことが負目であることとか…話せないし…誤魔化す技術も僕は持ってない。
「その……」
「……………。」
「…あの、ね…僕は……邪魔…?」
言い切ってぎゅっと目を閉じる。
沈黙。
「なんでそう思ったの?」
静かに訊き返される。
恐る恐る目を開けてセイを窺うがセイがどう思っているのか表情には表れていなかった。
「えっと、その…だって僕、何にも役に立ってないし…。」
「それだけ?」
「う、うん。」
「…嘘だね、すばる。」
セイはにっこり笑っていた。
それがとてもこわかった。
「すばる、俺が居なかった時に何があったのかちゃんと教えて。」
僕はセイを見つめることだけで精一杯だった。
すばる「セイ、こわかったです…。」