振動







みえない。暗い。怖い。
ああぁぁぁ。
震えてる。こわい。
なんでだろう。なんでぼくは怖いんだろう。
目隠しされて、首筋にあたる冷たいものがぼくを恐怖におとしいれる。
小さな鋭い痛みがはしればさらに震えが酷くなる。
ぼくの呼吸音だけがこの世界での唯一の音。
あああぁぁ。


あ。





血の匂いが…


震える手が…



こわい?


何が?どこが?



ほら、まだ気づいてないの?気づかないふり?







ぼくは、こんなにも…



嬉しくって震えてるのに。
ぼくはまだ知らないふり。








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