蒼い色のなか





揺られている。心地良いもの。
僕はゆらゆらと揺れているだけ。クラゲのようで。
僕は青い蒼いこの世界で。

光が差し込んでとても綺麗。
僕を淡く光らせる。
蒼いこのなかで僕だけ蒼くない。青くない。
でも、だからこそ僕はこの世界を美しく思えるのかもしれない。
周りを泳いでいくものたちも青くて、でも…自分の美しさに気づいていない。
揺られながら考える。
僕がここに在る意味を。
そんなものきっと無いんだろうけど…。
それでも、考えなければならないような気がして…。



あぁ。


綺麗だ。



僕が眺めているこの景色を誰か眺めているのだろうか。
誰か美しいと感じているのだろうか。


波紋が広がっていく。



世界が崩れてしまう。誰かが起こした波紋。
僕なのかもしれない。
もう、崩壊を止めることはできない。

僕は目を開けて世界を見る。
この美しい青い、蒼い世界を。




いずれは消えてしまうだろうこの光景を。



目に焼き付けて。
記憶に刻んで。


ゆらり、ゆらり。
揺れて、揺られて。





青くない僕。
光を受けて。



ただこの世界に存在する。
うつろいゆく世界を。





ゆれ、ゆられ。
美しい。



いつか、僕が無くなったとしても世界は同じじゃなくても世界としてそこに存在し続けていくのだろう。
青く、蒼く、綺麗な、美しい、世界。
儚くも消えていく。













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