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ちいさな嘘 2 |
アイツが倒れてからすでに3か月が経とうとしてた。 日に日にやつれていく様子を見るのはすごく辛かった。俺はいまだにアイツのことが本当に好き…とは、いえない。嫌いじゃないけど。 愛している、という感じじゃない。断言できないけど。 隣の椅子に俺が座って、アイツが俺の手を握る。手を握って俺に弱々しく微笑めば、俺は二重の意味で苦しかった。 心が蝕まれていく心地だった。 俺が代わりに病気になった方がよかった。 一般的にこの年になると、後悔ばかりするのだろうか。 脈絡もなくそう思った。 それは、いつも突然。 俺のおふくろの時もそうだった。 病院に駆けつけるとすでに家族は全員揃っていた。他にも、兄弟やらなんやら。 アイツは……苦しそうに顔を歪めていた。 俺は、呼ばれた意味を知った。 口の中が乾燥してる。何か言わなきゃ…。けど、口から漏れるのは空気だけ。 激しく動揺してるのは自分でもわかってる。 震える脚でベッドの傍まで行く。 アイツは言った。 「あなた、あいしてる。」 たったその一言を言うだけの為にアイツは目を開けて俺を見る。 沈黙が訪れる。 重い空気……これは、あれか?俺に言えと? 「あー、その…」 俺はまた遭遇する。 嘘を吐かないといけない時に。ここで嘘でした、とか、絶対に言えない。 俺は、アイツの為に……。 最初で最後にアイツの為に嘘を吐く。 心臓は普段よりも早めの鼓動。 アイツの髪を掻き上げてやる。 心に決め、俺は口を開く。 ちゃんと言えるだろうか……。 「お前を、愛してる。」 この嘘を後悔する日は訪れるのだろうか。 お わ り この作品… 以外に気に入ってます。読む人それぞれの考え方がある方が管理人は面白いと思うのですが… ここは、スッキリしない!って思う人がい…いる訳ないよね…ごめんなさい。 出しゃばりました、はい。でも、ここで補足させていただきます。 俺…主人公ですが、結論から言うと「愛してる」と言ったことを後悔なんかしませんでした。それは、もちろん主人公が奥さんを 愛していたからなのです。意味わかんないですよね…; 「ちいさな嘘」は奥さんからのプロポーズに対する答えのことです。 主人公も悩んでいた通り、奥さんを愛していると嘘を吐きました(プロポーズの時ね)。でも、まあ、生活を共にして、時が経つうちに… …彼は奥さんを愛していたんです。でもねぇ、そこでネックになったのがプロポーズの時の嘘。 彼は真面目だったんでしょう。嘘を吐いたことに拘ってしまった…。自分の気持ちより先にね。 だから、最後の最後に言えた本心は後悔なんかするはずが無いんです。 そういうことです。 補足になってなかったらスミマセン; 嘘は吐くべきか…吐かざるべきか…さて、どっちなんでしょうね(笑) |