星輝く空
12
すき(透き/隙)
物と物との間。間隙。すきま。
すき(梳き)
髪の毛を櫛(くし)でとかすこと。
すき(好き)
心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。
僕は「じしょ」を取り出して「すき」の意味をしらべる。
あれ?
「すき」っていろんな意味が……やっぱりあるよね…。
だから「じしょ」は苦手だ。これだ!ってすぐわからないから。
しかも、字が難しいし……。字も小さい…。重たい…。
小さくため息をつく。
ため息をついたところで「じしょ」が僕にやさしくなるわけじゃないけど…でもやっぱり…存在感がありすぎる……。ううぅ。
ぺらぺらめくってみて他にもないか探してみる。
ある。
うん…。僕はぼふっと「じしょ」を閉じる。
「いやぁ、今の見間違えだよね。うん。きっとそうだよ。」
言い聞かさるように言ってまた「じしょ」を開く。
もちろん何も変わってなんかいなかった。
もう一度ため息をつく。
よしっ、と気合を入れて考え始める。
ひとつひとつ吟味していってたどり着いた答えは…。
好き。
心ひかれること。心がひかれるって……何に?
モシカシテ、オレノコトすきナノ?
おれのこと…?すき……?
僕が…?
セイのことを…?
好き?
えーと、たしかにセイのことは好きだよ。
でも…セイのあの顔は…ただ、心ひかれるかどうかを聞いたんじゃない。
そんな気がした。
なんだろう?好きって…何?
僕はセイのことが好きなの?
わからない。でも、考えなくちゃ…。
すき、好き、すき、好き―――――――――――。
どきどきがおさまらない。
胸がくるしい。
叫びだしてしまいそうだ。
好き、が…わからなくて。
僕の気持ちも、セイの気持ちもわからなくて。
考えても、考えても、おんなじところをぐるぐるしてる。
セイと一緒にいたい。
黒の神様……。
僕は答えを見つけられそうにないです。