星輝く空



27







耳まで赤くなった僕は布団の中で悶える。
きのう、きのうきのうきのう!僕は…何をやってるんだぁ…。
恥ずかしい、うわぁーすごく恥ずかしい。
まあ、あの後…たくさんお話をして…僕とセイとの間にあったわだかまりは無くなった。セイはあの人となんにもないらしい。 ただの近くに住む良くしてくれるお姉さんだってさ。…相手はそんな感じじゃなかったけどな…。と、思ったが…それよりも、 セイと仲直りできたことの方が嬉しくてそんなことどうでもよくなっていた。セイと仲直りできたからって…こんな……こんな…つもりは、 無かった。うん。あんなに泣くつもりはなかったんだ。セイの前ではずっと泣いているような気がしてきて…… そうだとしか言えないことに気づいてまた悶える。


「あぅー。僕のばかぁー。」




遠くでチュンチュン鳴いている小鳥は僕のことなどお構いなしに朝の歌声を披露している。それがまた……。
枕に突っ伏して早まる鼓動に落ち着けと何度も念じていると、セイが起きた。


「すばるぅー。朝からなにやってるの……もう、起きたなら顔洗って準備して…ほぁあああー。俺はもう少し寝るよ…おやすみぃ…ぐー。」


ほんとに寝てしまった。




「……はやっ。」


試しに突いたりしてみたが起きる気配は全く無い。







「あ。」


ベッドから滑り降りる。


「朝ごはん作らなきゃ。」



















セイに言われた通り顔を洗って準備した後、朝ごはんの支度に取り掛かる。
といっても、昨日の残りのコンソメスープとパンを出し、卵を焼くだけである。とっても簡単ですぐにできてしまう。 僕が最初に作ったご飯も朝食だったから簡単だったと言って差し支えないだろう。
テーブルの上を軽く整えて朝食を並べる。
そろそろセイを起こさなくては。




「セぇイぃい!!起きて!朝ごはん!」




大きな声でセイを呼べば…


「ふぁあい。…今、いく……ぐー。」


寝た…。


「ちょっと!!」




寝室まで駆けて起こしにいく。


「セイぃー!起きて起きて起きてぇ!ご飯食べよっ!」


遠慮なく揺さぶって起こしにかかれば……。


「うーん。あと、すこし……」


くすくす笑って起きようとしない。


「もー。先にご飯食べちゃうからね!!」


背を向けて部屋を出て行こうとすれば…。




「まっ、待って!ごめんごめん!冗談だから。」


慌てて僕の袖を掴んで謝る。
寝癖で跳ねた髪と少しうるうるとした瞳が…可愛い。
僕より大きいセイに可愛いだなんて変かもしれないけど、でも、可愛い。
意地悪されたからお返しに意地悪してやろうと思っていいことを思いつく。


「ん〜、どうしようかな〜。セイお寝坊さんだし…僕に意地悪するしー。ご飯一緒に食べなくても………」




「わあああ!!!ごめん!!すばる!それだけは許して!この通り!」


セイは床に膝をついて頭を下げた。


「へ?……あっ、セイ!そんな!別にそこまでしなくてもいいのに!」


「いや、………すばる!ほんとごめん!だから、一緒にご飯食べよ!!」
何故か必死に形相のセイに僕は困惑しながらも頷く。というか、頷かないとセイはずっと謝っていそうだ。




「あ、うん。わかった、わかったから…ねぇ、もう立ってよ。ご飯食べよ?」


「ほ、ほんとに…ホントに一緒に食べていい?もう怒ってない?」
眉を下げ困惑したような顔で僕を見るセイ。
うっ。


「べっ、別にいいよ。セイがそんなに謝るんなら…ね。」
なんだか気まずくなって視線を逸らして言う。
というか、軽くからかうつもりだったのにセイがあんなに謝ってくるから冗談だよ、とも言えなくなってしまった。 セイには悪いけどセイが悪い。
なんて冗談だけどね。


「そか!じゃ、食べよう!食べよう!」
顔を輝かせて僕の袖を引っ張っていく。
「もう準備できてるから、セイ、早く顔を洗ってきてよ。」
苦笑しながら言う。
今日一日がすごく楽しみだ。












次はいつ更新できるんだ、、、


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