星輝く空






こんそめすうぷを食べ…舐めながら。
セイは物珍しそうに僕を見る。



「なに?」



「いやぁ…ほんと珍しい髪の色だなぁと思って。」



そうなのか……。
僕にはよくわかんないや。
不揃いな長さの黄金の髪。
後ろと左のこめかみのところだけがひざ裏に届きそうなくらい長い。
あとは、肩にあたってはねている、もしくは肘に触れるぐらい。
僕にも不可解な髪だ。
今はセイに結んでもらってる。
それよりも、僕にはこんそめすうぷのほうが大切だ。
ぺちゃぺちゃ舐めてると苦笑したセイがこちらを見ていた。



「どうしたの?」



「ん〜。すばるはスプーン使わないんだ…と思って。」



「すぷうん?」
それはいったいなんなのだろうか?
使わないといけないもの?
僕、変なことしてる?



「もしかして…スプーン、知らない?」



僕は頷く。
黒の神様は「すぷうん」について何も言ってなかったよ?



「ん゛〜。どうしましょうかねぇ。」
すばるくんは一体何者なんでしょうね?って苦笑しながら言われた。
星だよ。
とは言えない。
黒の神様との約束だから。







「僕はいけないことしてる?」



こわくなってセイに問いかける。



「違うよ。すばるはいけないことなんてしてないよ。ただ…知らないことがたくさんあるだけ。今から覚えればいいんだよ。」



優しい笑顔でセイは答える。
僕も笑顔で応える。





今日は、「すぷうん」について教えてくれることになった。










「すぷうん」は道具らしい。
こんそめすうぷを食べるときにも使うらしい。
でも……すくうの、難しい。



「セイぃ……。」



「なに?どうしたのすばる?」



「すぷうん」でビンに入った「じゃあむ」をすくおうとしてる僕と本を読んでいるセイは午後のひとときをのんびりと過ごしていた。



「じゃあむがぁ……とれないぃ〜。」



すくってもすくっても取れないジャムに僕は泣きそうになる。
あまくていいにおいするのに…。



「どれ、貸してごらん?」
セイがひょいと取り上げる。



「ほら、こうして…こう動かせば簡単だよ。」
いとも簡単にジャムを掬いあげた。
セイは皿にのせたパンにジャムをぬってくれた。



「ありがと、セイ。」
言うやいなや僕はパンに噛り付く。
あまい……。
「じゃあむ」はおいしかった。



窓から見える…。
そよそよと風に揺れる草。
黒の神様と会った場所。
青い空が星の僕を笑っているかのようにみえた。












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